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やる夫と彼女と女と涙(テキスト版 18禁)

906 名前:無触童帝 ◆KLfTFBYvKk[sage] 投稿日:2011/01/01(土) 15:37:53 ID:6sbjRPak

AAだとロクに黒子とやる夫のエロが書けん!えぇいこうなったら文章だ!



912 名前:無触童帝 ◆KLfTFBYvKk[sage] 投稿日:2011/01/01(土) 15:40:28 ID:6sbjRPak

因みに時間軸的にはプロポーズした後、ハクが来るまでの間だ


924 名前:無触童帝 ◆KLfTFBYvKk[sage] 投稿日:2011/01/01(土) 15:55:44 ID:6sbjRPak


「責任取れるなら生でも構いませんわよ」
と、黒子は半ば挑発とも冗談とも取れる言葉を口にする、口元は軽く笑っているが
やる夫は幾らからの劣情を押さえながら。
「・・・今はまだ無理と」
小さくこぼした。
ベッドにはやる夫と黒子が寝ている、やる夫の吐息が分かる程の距離に黒子が相変わらず穏やかな
だが少し幸せそうに笑っている。やる夫はつい反射的に黒子を抱きしめると黒子はフフッと笑い
「無理なのに我慢できませんの?」と、イタズラをする子供をたしなめる様に言った。
やる夫は心外だとばかりに、
「そう言うつもりじゃ無いお」
眉をわずかに吊り上げたが黒子の細く柔らかい指が服越しにやる夫の一物に触れた。
「そう言いながらもこっちはそのつもりの様ですわね」
やる夫自身も気付かない事ではあったが劣情は抑えきれずに体が反応していたのだろう。
やる夫はほんの少し顔を赤らめながら、「だから」と言葉を続け様としたが、上手く口に出来ず口ごもっていると
黒子は腕をやる夫の頭に回し自身の小さな胸に押し付けた。
「可愛い人」
黒子の口から漏れる言葉は到底これから睦みあう相手、特に男に向ける言葉では無いだろうが
やる夫は不快には感じなかった。

956 名前:無触童帝 ◆KLfTFBYvKk[sage] 投稿日:2011/01/01(土) 16:10:51 ID:6sbjRPak

やる夫が服越しに黒子の胸に触れると誘う様に「それだけですの?」と挑発する。
やる夫も馬鹿では無い、今の自分、学生の自分で責任が取れるかどうかと問われれば
それは無理だと即答出来る程度の頭は回る。
黒子が試しているのかと思いながらやる夫は谷間から黒子の顔をそっと覗く。
黒子の頬は薄く紅色に染まり瞳は小さな輝きを灯している、やる夫は気付く
あぁ、そうか黒子もまたやる夫に触れ、愛されたいと思っているのだと、
結局、互いに想いを完全に抑えきるにはまだ若く、そして経験が足りないのだと。
やる夫は気付くと黒子の服のボタンを外していた。
ベッドの上の黒子はブラジャーをしていない、元々今日はそう言う事をする為に準備していたのだ、
ただやる夫のうっかりでそれがお流れなってしまったに過ぎず、欲望が互いに満たされずまた、
それに押し流されるだけの下地は有ったのだろう。

やる夫の眼前に黒子の小さな胸が露になる、小さいが形は良い、薄く色素の有る乳首がツンとやる夫に向かっている
やる夫は目の前のそれを口に含みもう一方を指先で愛撫すると頭の上から黒子の小さな吐息が漏れた。

971 名前:無触童帝 ◆KLfTFBYvKk[sage] 投稿日:2011/01/01(土) 16:32:21 ID:6sbjRPak

甘い吐息はやる夫の劣情をより加速させた、足りない、足りない、足りないとやる夫は夢中で
黒子の胸を愛撫する、指で、掌で、口で、歯で、舌で。
だが足りない、黒子の甘く切ない声が耳に届く度にやる夫は何もかも捨て去り獣の如く黒子を犯し、嬲り、孕ませたいと
まるで心の奥底から自身の起源となった一匹の猿がやる夫に乗り移るの感じた。
その猿を操っているのはやる夫が貪っている女、黒子自身なのだ。
やる夫の空になっていた腕が黒子の体を背から腰、そして尻へと滑ってゆく。
ズボンの中、ショーツの中、本能の赴くままに指先を滑らして行く、より深く、より奥へ黒子を求めてやる夫は手を伸ばす。
やる夫の指先が黒子の引き締まったヒップに絡む、やる夫はその手の感触から今は見えぬ黒子の尻を空想する、
可愛さと機能性、そして甘く誘う様な様は黒子その物の様にやる夫は感じられた。
やる夫の指先は十分に黒子の感触を味わった後そのまま横滑りし黒子の秘所へと向かおうとする。
すると、意外にもそこには先客、黒子自身の手に触れる。
やる夫は少し意地悪な笑みを浮かべ「黒子」と、名を呼びながら見上げると黒子は顔をカァッと赤くした。

982 名前:無触童帝 ◆KLfTFBYvKk[sage] 投稿日:2011/01/01(土) 16:46:54 ID:6sbjRPak

「だって・・・」
黒子は小さくバツの悪そうな顔しながら呟く。
仕方が無いと、黒子は思う。やる夫はさして上手いとは言え無い、無論やる夫意外に抱かれる気なぞ
男性では無いのだから今も、今後も比較する対象が居ないで断言は出来ないが、それでもフィクションに登場する様な
秘め事に精通する人物の様にはいかない。
だがそれでも黒子を貪ろうと、悦ばせようと、必死なって黒子にむしゃぶりつくやる夫に愛おしさと欲望を感じるのは
結局黒子もどこかでやはり女であったのだろう。
やる夫は黒子の指先を押しのけ黒子の秘所に触れる、今までの中で一際大きな声をあげる黒子を無視し女の部分に触れる
熱く、湿り気を帯びたそれは何よりも黒子がやる夫を求めている事を明確に示していた。

やる夫の劣情は極限に達していた、タガは外れ今すぐにでも自分の欲望の権化で黒子を蹂躙したいと言う渇望が
黒子の下着に手を掴んだ所で額に小さな痛みによって吹き飛ばされた。


28 名前:無触童帝 ◆KLfTFBYvKk[sage] 投稿日:2011/01/01(土) 17:01:18 ID:syUDTJK.

少し飽きて来た



「無理と言ったのではアナタでしょう?」
やる夫我に還った瞬間、「あ・・・」と呻く様に声を上げた。
黒子の言う通り、責任を取れぬと断言したのは他ならぬやる夫自身である。恥じ入るしか無い。
しかし、同時に釈然としない感情がフツフツとやる夫の心の奥に芽生えてくる。
「誘ったのはそっちじゃないかお・・・」
やる夫はボツリと愚痴る様にこぼすと、黒子はもう一度指先でやる夫の額を弾いた。
「それを我慢なさるのが殿方でしょう?」
黒子の言う事ももっともだろう、それで困るのは何よりもやる夫自身に他ならない。
劣情に身を任せて破滅した男は一人二人では無いのだ。
しかし、黒子にも責任が無いかと言えばそうで無い、煽ったのは何よりも黒子であり、黒子もまた
やる夫に対して強い欲望を抱いているのをやる夫は知っていた。
黒子は二度弾いたやる夫の額にキスをすると暴徒と化したやる夫の一物をギュッと掴んだ。


次に声を上げるのはやる夫の方だった。まるで女の様に吐息を漏らしたやる夫に、劣情を抱くのは黒子の方だった。
「今日は出来ませんから、口でして差し上げますわ」
黒子は引っかかり下げ辛くなったズボンとパンツをまとめてズリ下げるとやる夫の一物が黒子に向かって伸びていた。
黒子はやる夫をベッドに仰向けに寝かせ、するりと四つん這いになってやる夫の一物と対面する。
彼女は思う、思えば自分がいつこんな厳つく、生々しい塊を口にふくむ事を平気で出来る様になったのかと。
今までの黒子の人生の中で男根などと言う物はおぞましさ意外感じなかった。
それは子供の時から変わらない、小さな子供のそれでも抵抗を感じていた黒子は、次第に成長するにつれ
自分が人と違う事を明確に感じていた。



49 名前:無触童帝 ◆KLfTFBYvKk[sage] 投稿日:2011/01/01(土) 17:22:10 ID:syUDTJK.

こっからエロからラブ要素に変化します、ご注意下さい、オレ何してんだろ正月に



最初に彼女が恋をしたのは女性だった、活発でサバサバとした明るい女性だった。
無論その恋は黒子とは無関係にその女性が男性と付き合う事で終わりを迎えたが、それでも
黒子自身はそれがその感情が本来同性で起きざるべき想いであった事は自覚していた。
「自分は他人とは違う」と、いう思いとかと言ってそれがどうにも出来ない現実、黒子は板ばさみになった。
中学、高校、本来女性の青春とは男性のできれば、素敵な恋人を持って愛情を育み。
それが終わりとなっても、思い出はいつか人の人生の厚みその物に変化するだろう。
しかし、黒子にはまともな、と言うのも変な物だが恋愛を行う事は出来なかった。
だから結局諦めたと言うのが正解であろう、自分の業も含めて自分なのだ。
偶然そう言う物に生まれてしまったのは不幸かも知れないが、人間とはどんな人間も
生まれつき一つ、二つ、不都合な物を抱えて生まれて来る。
黒子の場合はそれが同性愛好だったと言う事だと思っていた。やる夫に出会うまでは。



64 名前:無触童帝 ◆KLfTFBYvKk[sage] 投稿日:2011/01/01(土) 17:32:09 ID:syUDTJK.



「馬鹿な男」だと言うのが第一印象だった、助平で下劣で、ずかずかと馴れ馴れしく人に話しかけて。
失敗すれば盛大に落ち込み、成功すれば子供の様にはしゃぐ、
黒子にとっては「ガキ」と言う言葉が相応しい男だと思った。が、それは後に訂正される
「ガキ」では無く「子供の様な青年」が正しかった。

やる夫は黒子が本能的に面倒見が良い事を嗅ぎ分けていた、無論意図して黒子に迷惑をかけるつもりは無かったが
それでも、黒子が結局ブツブツと文句を言いながら自分に付き合ってくれる。
そう言う女性であったからこそ、やる夫は黒子と遊び、男女間でありながら友人の様に自然体で居られた。
それがやる夫にとって気持ちよく、また珍しく黒子もやる夫の本質を理解した後は特に自分を偽る事無く、
ごく普通に接する事が出来た。



81 名前:無触童帝 ◆KLfTFBYvKk[sage] 投稿日:2011/01/01(土) 17:58:23 ID:syUDTJK.



最初にどちらが好きになったのか、それは分からないが恐らくやる夫の方だったのだろう。
ただし、やる夫は意外にも目ざとく黒子の性質を見抜いていた。
道を歩いていて、やる夫も美醜の感覚は有るので同性でも美男であるか、如何にも女性が好みそうな男、
それを感じる事はできる、しかし自然と目が向く事は無い、興味が無いからだ。
だが女性は違う、普通ならばそちらに目が向く、だが黒子は向かない目で追う事も無い。
だが逆に女性、美女来ればやる夫と同じく黒子も無意識にそちらを見る、目で追う。
やる夫はそれに気付いた時、あぁ彼女はそうなんだと素直に受け入れられた、友人だったからだ。
しかし、互いに近くなり、時を重ねるにつれやる夫は黒子を女性として意識し始めた、やる夫を責めるのは酷であろう。
やる夫は苦悩しながらも、その思いを隠した。黒子がやる夫に笑顔を向ける度にやる夫の心の奥は、
じくりと痛みを感じた。



103 名前:無触童帝 ◆KLfTFBYvKk[sage] 投稿日:2011/01/01(土) 18:10:08 ID:syUDTJK.





その前後だろうか、黒子もまた自分の変化を自覚し始めていた。
やる夫と出会うと自然と笑顔がこぼれる、一緒に遊びに行く時には心が弾んだ。
最初は驚き、戸惑った、人生の今の今まで、男性を好きになった事が無かったからだ。
ずっと自分は同性愛好者で、同性以外に好きになる事は無い、無いだろうと思い込んでいた。
だから、自分が周りと変わらず、男性を好きになり、恋をする、その事自体に怯えを持ってた。
怖い、と思うのは自分が変化した事に気付いたからだ。
黒子はやる夫を遠ざける様になった、本来生き物として極めて当然であり、自然な事のハズが
黒子にとっては何よりもの恐れに変わった。
自分が自分で無くなる事の恐怖が淡い恋心を上回ったのだろう。
遊びに行く回数も、喋る回数も少なくなった。
やる夫は当初、男である自分に生理的嫌悪を持ち始めたのでは無いかと思った。
黒子を知るやる夫にとってそれは不自然な事は思わなかった、十分に可能性が有る事だったからだ。
だからやる夫も黒子にそれ以上接触する事は避けた、今ならまだこの自分の奥底に有る淡い恋心をひり潰し
引き返す事も出来ると思っていたからだ。



114 名前:無触童帝 ◆KLfTFBYvKk[sage] 投稿日:2011/01/01(土) 18:22:02 ID:syUDTJK.


やる夫が黒子と疎遠になりはじめて、そう時間が経たぬ間にやる夫の前に女性が現れた。
現れたと言うのも妙では有るが元々クラスメートだった女性と普段なら黒子と過ごす時間を埋める為か
言葉を交わし、時間を重ね初めていた。
やる夫はその女性に恋心を持たなかった、彼女もまたやる夫に対してそこまで深い情を持っていなかった。
単に趣味が合って、話しが弾む、それまで黒子の為に割いていた時間が暇になったので
男女の関係で無く友人として新たな絆が芽生え始めていたに過ぎなかった。

同じ頃、黒子は苦しんでいた、やる夫と会わぬ時間、ふと気がつけばやる夫の顔を言葉を、
これまで過ごした時に思いを馳せていた。
だが自分が遠ざけていながら再びやる夫と何食わぬ顔で友達に戻れると思えなかったからだ。
夜、一人で泣く事が多くなった。それでも戻れなかった、自分で望み、自分でした事だったが。
その時の黒子にとっては裸足で茨の園に立ちすくんでいる等しかった。
助けて欲しくて、愛しくて、触れたくて、だがもう会いたく無くて、黒子は毎晩母を無くした子の如く泣いた。



128 名前:無触童帝 ◆KLfTFBYvKk[sage] 投稿日:2011/01/01(土) 18:37:00 ID:syUDTJK.



ある日、黒子はクラスの用事で帰るのが遅れた。つい先ほどまで晴れていたハズの空は
まるで急にぐずり始めた赤ん坊の様に音を立て喚く様に雨を降らせた。
「困りましたわね」
傘も雨具も用意していなった黒子は生徒玄関の入り口で呆然と立ちすくんでいた。
無理に帰っても構わないが期末試験が近いのでできれば体調を崩す事は避けたかった。
何気なく目をやると廊下の向こうからやる夫と友人の女性が歩いて来るのが見え、
黒子は反射的に物陰に隠れた。

やる夫はいつもの様に友人と下らない話を続けていた、話しは弾む、趣味も趣向も合うのだ。
テレビの事、マンガの事、ゲームの事、いつ途切れるともつかぬ会話をしていると女性は焦った様な声を出した。
やる夫が尋ねると雨具を忘れていたらしい、やる夫は少し彼女を小馬鹿にした後、自分の折りたたみ傘を取り出す。
記憶の限り、まだ黒子と疎遠になる前に二人で遊びに行った時、黒子に選んで貰ったシックだが
そこそこに見栄えのする傘だ。
やる夫は冗談半分であいあい傘だ、などとおどけて見せると女性も悪乗りして恋人の様だねと言う。
無論単なる冗談に過ぎない事はお互いに理解していたが、その時人の走り出す音が聞こえ
玄関から見慣れた人影が走って行くのがやる夫の瞳に映った。



139 名前:無触童帝 ◆KLfTFBYvKk[sage] 投稿日:2011/01/01(土) 18:46:53 ID:syUDTJK.


分けが分からない、と言うのが黒子その時の感情であった。
ただ、やる夫のおどける様な声が、それに乗る女性の声が聞こえた瞬間感情が爆発して。
気がつけば雨の中を走っていた、家とは真逆でしかし知っている道筋でもあった。
黒子が息を切らして心臓が破裂するかと思う程走った後、とぼとぼと何も考えられぬ呆然としたまま、
雨に濡れながら道を歩いてある家の前にたどり着いた。
黒子が家と真逆の道筋を知っていたのは偶然では無い、そこはやる夫の家だったからだ。
やる夫の家にはあまり両親が居ない、共働きで中々に忙しいらしい事は過去に聞いており。
昔、兄のやらない夫が学生だった頃は二人でいつも遊んでいたが兄が就職してからは、
その兄も家に居る事は少なくなった。
やる夫は良く黒子を家に招いた、それは多分、彼自身も誰も居ない家に居る事が寂しかったのだろう、
だから黒子も良くやる夫の家に遊びに行き、暗くなるまで居た時にはいつも送ってくれた。
ガキだガキだと黒子はその当時思っていたが、そんな事は無かった。
確かにやる夫は多分に子供っぽい所は有ったが妙に目ざとく、紳士的な所が有った。
優しい青年だったのだ。


148 名前:無触童帝 ◆KLfTFBYvKk[sage] 投稿日:2011/01/01(土) 19:00:22 ID:syUDTJK.



黒子はそのままやる夫の家の前でしゃがみこんだ、頭が混乱してもうドコへ行く気力も体力も無かった。
それからどれ程時間が経過したのか、あるいはほんの数分か、やる夫は自分の家の玄関にたどり着いた。
傘は無い、反射的に飛び出したせいで友人に傘を預けたままだったからだ。
そう遠い場所では無かったが体は雨で冷えていた、それでも黒子を探すの止めなかったのは、
黒子が思う以上にやる夫が優しく、男だったからであろう。
黒子を見つけたやる夫はしゃがんだままの黒子にどう声を掛ければ良いか分からず、
少し悩んだ後にいつもの様におどけながら話しかけた。
ちょっとした冗談、大仰に濡れてしまった事を交えながら黒子に話しかける。
黒子からの返事は無い。
やる夫は諦めて、だが捨て置く事も出来ず、無理にでも自分の家に上げようとした。
このままでは風邪を引く所では無い、肺炎にでもなれば一大事だ。
黒子の体に触れると予想以上に華奢で軽い黒子の体に僅かにやる夫は驚いた。
改めて黒子が女の子だったのだと思うと、奥底から再び淡い感情が噴出してきた。
黒子は立ち上がるとそこで初めてやる夫の顔を正面から見た。
怒りもせず、かといって笑うでも無く、困った様な、泣き出しそうな程不安な顔の青年を見ると
黒子は今まで抑えつけていた感情がとめどなく溢れ、
空から降る雨に負けぬ程の勢いでやる夫の胸の中で泣いた。



156 名前:無触童帝 ◆KLfTFBYvKk[sage] 投稿日:2011/01/01(土) 19:13:53 ID:syUDTJK.


その後何を話したかは黒子はほとんど憶えていない、きっと言葉にすれば幼稚で、整理できぬ感情のまま、
全てをやる夫に話したのだろう。
だが、お陰でやる夫もまた黒子の想いを理解できた。結局、黒子の中に有る厄介な趣向で随分遠回りしたが、
自分の想いは黒子に届いていたのだと思うと喜びと、愛おしさで黒子を抱きしめた。
力強く、だが予想以上に柔らかいやる夫の腕に抱かれ黒子は全く不快感を感じなかった。
それ以上に体ごと今まで自分の奥底にあった感情をやる夫に抱きしめられる事が堪らなく幸福であった。
だが、急にやる夫は黒子の体を解放し、体を逸らした、黒子は不安になってやる夫を見た。
瞬間大きなクシャミの音に驚くと同時にやる夫は苦笑しながら頭をかいた。
黒子はそんなやる夫を見てクスクスとやっと久しぶりに心から笑う事が出来た。
黒子は思う、最初から自分は何一つ変わっていなかった、きっと、ずっと、この子供っぽく
それでいて優しい青年の事が好きだったのだろうと。


162 名前:無触童帝 ◆KLfTFBYvKk[sage] 投稿日:2011/01/01(土) 19:25:01 ID:syUDTJK.



それから幾つもの時を黒子とやる夫は重ね、あるがまま、自分を偽らない瞬間瞬間を楽しんで来た。
初めてやる夫と体を重ねる前、黒子は不安で僅かに泣いていた。
やる夫の男性としての物に他の男性のそれ同様に嫌悪感を抱くのが怖かったからだ。
そうなれば、いかに自分が演技してもやる夫は目ざとくそれを感じ取ってしまうかもしれない、
もしそんな事になれば二人の関係が終わる、そう思うと黒子は怖くて涙目になったが、
結局事故とも言える形でやる夫の物を目撃した黒子は、その嫌悪感を抱かず、むしろ愛嬌が有るとすら思い
あれだけ恐れた自分がおかしくなって笑うと、やる夫は自分の物を侮蔑されたと思い顔を真っ赤にして拗ねてしまい、
その後言い訳と機嫌を取るのに大変苦労した。

そのやる夫の一物が目の前に有る、ベッドの上、黒子はやる夫のソレに小さく口付けした後舌先で
やる夫の弱い部分を愛撫する、舌先でやる夫を責める度に青臭い苦々しい味が広がる。


179 名前:無触童帝 ◆KLfTFBYvKk[sage] 投稿日:2011/01/01(土) 19:44:37 ID:syUDTJK.


黒子がやる夫の物を舌で、口で愛撫する度に彼女も心の奥から強い劣情を感じる。
この荒々しい物で自分を貫いて欲しい、目一杯自分を蹂躙し、目一杯自分を愛して欲しいと思う。
今、鏡で黒子が自身の顔を見れば自分でも驚く程雌の顔をしているのだろうと感じていた。
心の深い場所から人間が生きる上で封じている獣が黒子の理性を薄皮を剥ぐ様に爪と立てる。
無我夢中でやる夫の物を口で犯していると突如、黒子の秘所を快楽の波が襲った。
やる夫もまた黒子の秘所を指で、舌で唇で襲い始めた。
互いの欲望がもつれ合い、猿が目の前の果実を貪る様にやる夫と黒子は互いを貪った。
愛欲のたどり着く場所はオーガスムであろう、やる夫の欲望の形を口で犯していた黒子は
やる夫が限界に近い事を感じ取った、普段ならば最後は手でしごいて終わりにするのだが
黒子もまたいつもと違っていた。
やる夫のプロポーズと素直さ、そして何より黒子自身もやる夫の精を欲していた。
黒子は構わず舌でやる夫の物を愛撫すると下から、
「黒子」と、やる夫が声を掛けたが黒子はその言葉を無視してやる夫の物の先を舌で愛撫すると
やる夫の吐息が黒子の秘所をくすぐり、黒子の口の中全体にやる夫は精を放った。



188 名前:無触童帝 ◆KLfTFBYvKk[sage] 投稿日:2011/01/01(土) 19:57:29 ID:syUDTJK.


結局、それからやる夫は三度精を放った、黒子は手と指と口でやる夫を満足させたが
黒子自身は肉体的には全くと言って良い程満足できなかった。
行為の後、やる夫と黒子は一緒にシャワーを浴び、すまなさそうにして身を縮めている
やる夫をいじめながら黒子は意地悪な笑みを浮かべていた。
だがシャワーの中黒子はやる夫を背中から抱きしめた。
暖かい、肉付きの良い背中に耳をつければやる夫の心臓の鼓動が聞こえた。
黒子は思う「可愛い人」と、だからきっと好きになったのだと思う。
この先黒子とやる夫がどうなるかは分からないが黒子は目の前に居る、
子供っぽく、ひょうきんで、可愛くて優しい青年を愛したいと思った。
やる夫は困った様に「黒子」と呼びかける、そろそろ出たいと言う意味だったのだろうが。
相変わらずムードと言う物を解さない子供っぽさに黒子は背中を少しだけつねった。
やる夫は自分の性欲が抑えられ無かった罰かと思いバツの悪そうな顔をして頭をかいた。
黒子は「お先に失礼しますわ」とやる夫に背を向け、さっさとバスルームから外に出た、
明日になればもう一度やる夫をからかおうと少し意地悪な決意をする。
きっとやる夫はその言葉にいつもの様に困った様なしょんぼりした顔を見せるだろう、
黒子の好きな可愛い顔を明日も見れるだろうと思うと小さな、幸福な笑いが自然とこぼれた。

━━完━━



190 名前:普通の名無しさん[sage] 投稿日:2011/01/01(土) 19:58:30 ID:cebSGeZU

乙!エロくてほのぼので素敵な話だった!

さぁ次はワーネバだ。


192 名前:普通の名無しさん[sage] 投稿日:2011/01/01(土) 19:59:00 ID:nv5BI4S6

乙!黒子超可愛い!
さあ、ワーネバだ


193 名前:普通の名無しさん[sage] 投稿日:2011/01/01(土) 19:59:14 ID:UXVuzDyI

乙!エロスタートとは思えない切ない良い話だった


203 名前:普通の名無しさん[sage] 投稿日:2011/01/01(土) 20:05:14 ID:3wTuB88.

乙でした


































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